2026年03月18日
今回は、普段実施している研修内容の一部として、講義①「現場で気持ちを切り替える実践スキル」とワーク①「切り替えスイッチ実践ワーク」の内容をご紹介します。介護現場で気持ちを引きずりやすい場面に対して、どのように立て直し、次の行動に戻っていくかを考える前編です。
介護の現場では、申し送りで注意を受けた直後、利用者対応や家族対応が重なったとき、思うように仕事が進まなかったときなど、気持ちが大きく揺れる場面が少なくありません。そうしたときに必要なのは、「落ち込まないこと」ではなく、揺れた心を立て直し、次の行動に戻ることです。今回の前編では、普段実施している研修内容の一部として、現場で気持ちを切り替える実践スキルと、切り替えスイッチ実践ワークを取り上げています。
講義①では、まずレジリエンスを「気合い」や「我慢」ではなく、揺れたあとに戻る力として確認します。特に大切なのは、心が乱れたときに、いきなり頭で何とかしようとしないことです。呼吸が浅くなる、肩に力が入る、考えがまとまらない――そんなときは、まず体の反応を落ち着かせることが先になります。研修では、呼吸・切り替え・区切りという3つの視点から、その場で使いやすい方法を確認していきます。
ワーク①では、実際に4秒吸って6秒吐く呼吸や、足裏の感覚に意識を向ける方法を体験しながら、自分なりの切り替えスイッチを言葉にしていきます。ポイントは、反省を長く書くことではなく、「何が起きたか」「どんな気持ちになったか」「そのとき自分を守るために何をするか」を短く整理することです。これにより、同じような場面が起きたときにも、気持ちを引きずりすぎず、少しずつ次の仕事に戻りやすくなります。
レジリエンスは、特別に強い人だけが持つ力ではありません。呼吸を整える、意識を戻す、いったん区切る――そうした小さな方法を知っておくことが、現場で働き続けるための支えになります。前編は、そのための具体的な土台を学ぶ内容です。関連情報として、厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」や、短時間で学べる「こころの耳 5分研修シリーズ」も参考になります。
(介護キャンパス/梅沢佳裕)