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2025年06月15日

第2回:生活相談員って本当に大変?その魅力とリアルなやりがいを語ります

ベラガイア17 人材開発総合研究所の梅沢です

「大変だけど、やりがいもある」それが生活相談員のリアルです
「生活相談員って大変そうだよね」
「相談員って何でもやらされるポジションでしょ?」

私自身、これまで数多くの介護施設を訪れ、相談員の方々と現場の声を共有してきました。

その中でよく聞くのが、こうした“イメージ”です。

たしかに、生活相談員の仕事には大変なことが多いのは事実。でも、そこには他の職種にはない「やりがい」や「使命感」も確かに存在します。

今回は、生活相談員が「大変」と言われる理由と、現場で実感できるやりがいについて、現場の声と私自身の支援経験をもとにお伝えします。

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1.生活相談員が「大変」と言われる3つの理由

①業務の幅が広く、責任も重い
相談員の仕事は多岐にわたります。利用者やご家族の相談対応から、入退所手続き、ケアマネとの連絡調整、地域とのつながりづくり、場合によっては送迎の手伝いまで…。その広さは「何でもやっている感覚」に陥るほどです。

ある特養の相談員は、私の研修後にこんな話をしてくださいました。

「午前中は契約説明、午後はご家族からの苦情対応、夕方はスタッフ間のトラブル調整…。どこまでが自分の仕事なのか、分からなくなってきます」

このように、相談員は“外にも内にも関わる立ち専門職“であり、その分プレッシャーや疲労も大きくなりがちです。

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②「何でもできる人」にされやすい
生活相談員の業務範囲は、施設ごとに業務分担が曖昧になりがちです。そのため、「できる人だからお願いしよう」と、便利屋的なポジションになってしまうことも。

私が在籍していたデイサービスでも、相談員が記録作成から備品管理、時にはレクリエーションの運営まで担っており、専門性とはなんだろうと考えてしまうもともありました。

「パソコンが得意だから資料作成も全部回ってくるんです…」
そんな声を受け、私は管理者向けの面談で「業務の適正化と明確化」を提案しました。

役割が整理されると、相談員も専門職としての誇りを取り戻し、業務効率が向上することを実感しました。

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③「孤独」を感じやすいポジション
生活相談員は、他のどの職種とも完全に同じ業務スタイルでは働いていません。もちろん役割や機能が部分的に重なっていることもあります。

しかし、相談員は介護職でも看護職でもなく、ケアマネジャーとも異なるジェネラリストという立ち位置の専門職です。

ある相談員が私にこう打ち明けてくれました。
「現場の大変さも分かる、家族の不安も分かる。でも、どの立場の“味方”にもなりきれず、板挟みでどうしたいいのか分からなくなってしまいます」

それでも、その方は「相談員はソーシャルワーカー。つまり利用者を擁護する専門職なのだから、自分がいなければ、この利用者の意向は吸い上げられない」と気持ちを奮い立たせ、職務に意味を見出していました。このような“存在価値の実感”こそ、相談員の力の源になります。

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2.それでも「やっててよかった」と思える瞬間がある
多くの相談員が、悩みながらも仕事を続けているのは、「やりがい」の存在があるからです。私自身、現場でその瞬間に立ち会うたびに、「この仕事は素晴らしい」と確信します。
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①利用者や家族からの「ありがとう」
どんなに忙しくても、「あのとき本当に助かりました」といった一言は、相談員の心に深く残ります。
「あなたが担当でよかった」と言われた日のことは、私も今でも覚えています。
感謝の言葉は、相談員が“人と人の間”に立つ意味を再確認させてくれる瞬間です。
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②「前に進んだ」実感があるとき
以前、認知症の進行により日々不安定な状態だった利用者の受け入れをめぐり、職員間で対立が起きたことがありました。
私は相談員のとして、介護職・看護職・ケアマネとカンファレンスを開催。最終的には、全員が納得できるケア体制を構築できました。後日家族からお礼をいただきました。
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③「介在する意味」を実感できる
相談員は、「調整のプロ」として、目に見えない関係性を整える力も期待されています。
家族の葛藤を和らげ、職員同士の行き違いを解消し、地域の資源をつなぐ――。そうした一つひとつの介入が、確かに「誰かの暮らし」を支えているのです
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まとめ:生活相談員は「信頼の再構築」を担う専門職
生活相談員は、目立たないけれど、なくてはならない存在です。特に、利用者・家族・職員の信頼が崩れかけたとき、そこに介入して再構築できるのが、生活相談員の専門性なのです。

「大変だけど、やっててよかった」
この言葉を、私は何度も相談員の皆さんから聞いてきました。

それは、“人の人生”に関わる重みと、やりがいを受け止めているからこそ出てくる言葉だと思いま

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次回は「相談員に求められる“連携力”とは?」をテーマに、職種間調整のポイントと具体的な工夫について掘り下げていきます。お楽しみに。

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